ご挨拶
第31回日本軟骨代謝学会
会長 渡辺秀人
約30 年前、軟骨研究の重要性を感じていた有志が集まり、昭和63 年(1988 年)日本軟骨代謝研究会が発足されました。その後同研究会は活発な活動を続け平成7 年(1995 年)第8 回開催の際に学会へと発展しました。このたび、第31 回日本軟骨代謝学会を開催させて頂きます。このような機会を賜りましたこと、光栄に存じますと共に心より感謝申し上げます。
今回の学会準備に際して「学会を開催する目的」を考えました。若手研究者にとっては口演発表と質疑応答は良い経験になるでしょうし、発表に対する質問やコメントは論文作成に役立つかもしれません。フロアでのディスカッションは今後の共同研究に繋がるかもしれません。同じ分野の研究者に久しぶりに会えるのも楽しみのひとつです。様々な技術・視点・背景を持つ研究者が一堂に会して議論を交わし、情報共有することは極めて意義深いことです。参加される皆様が将来に繋がる「なにか」を持ち帰って頂ければ嬉しく思います。
皆様が「参加してよかった」と感じてくださるよう、今回は幾つかのことを試みました。第1に、皆様が参加しやすいよう会場を名古屋駅から徒歩10 分以内の「ウインクあいち」にしました。第2に、最新の研究内容を発表頂くために演題募集締切を大幅に遅らせました。第3に、活発に議論して頂くために一般口演の各セッションに対して二名の先生方に座長をお願いすることに致しました。第4に、プログラムの作案に際して各分野で活躍されている5 名の評議員の先生方に組織委員として参画頂きました。第5に、昨今のネット環境を最大限に活用すべくメールやインターネットのサイトを最大限に活用しました。会員の皆様には些かご迷惑をお掛けしましたが、やってみなければわからないことが見えてきたように思っております。
昨今、軟骨研究は大きく展開してきたように感じます。その一方で未だにわかっていないことはまだまだ沢山あります。受精卵や幹細胞が軟骨細胞へと分化する詳細なメカニズム、軟骨マトリックスの機能的超分子構造、軟骨細胞の効率的な調製・維持方法が教科書に掲載され、変形性関節症等の軟骨変性疾患の予防や初期診断・治療ができる時代の到来に向けて本学会が役立つことを祈念しております。